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おせっかいふじん

おせっかい夫人

岡本 かの子

「週刊朝日」1934(昭和9)年4月1日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 772 字 · 2 页

青空文庫

花子夫人は黄い声になり大げさに梯子の必要を前の家の左官のおかみさんに説き、中位なのを一つ借りて来て男に手伝わせ国枝さんの湯殿の上部の硝子窓に届かせ、少し腰弱そうな男のために梯子の下部まで押えてやり、硝子戸をうまくこじ開けさせて、男を家の中にいれてやりました。

三十分ばかり後、男は国枝さんの表玄関を内側からあけ、可成な重味の見える風呂敷包みを持って現われました。男はあれほど世話になった花子夫人の玄関へ御礼の言葉一ついい掛けるでもなく、それこそ不敵な面構えをして、さっさと歩き去りました。男は東京の山の手を荒していた空巣ねらいでした。