轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

おくみさんとそのしゅうい

お久美さんと其の周囲

宮本 百合子

「宮本百合子全集 第一巻」河出書房、1951(昭和26)年6月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 75,369 字 · 149 页

青空文庫

何ぼ私だって、そんな嘘のような言葉を信じるもんですか。

「いいえ、そう今は云ってますけれどね。

人って妙なもので始終始終顔を見て居るとどんなに始めはいやだと思った人でも気にならなくなる様なもんだから、あんまり云われると、つい気がぐらついて来ないもんでも有りませんよ。

貴女みたいな暮しをして居る人は、しっかり自分と云うものを分らせて居なきゃあいけないわ。

どんなにお関にひどくされたって不仕合わせだって、ちゃんとしたお嬢様なんだもの。

雇人風情に情けをかけてもらいたい様な、又同情されたい様な様子を決して仕ちゃあいけませんよ。

しゃんと御主人らしくして居なけりゃあいけない。

向うから気の毒に思って呉れたら只それだけを受けて居れば好いんですよ、ねえ、お久美さん。

なさけに餓えて居る様な素振りを一寸でも出してはいけませんよ、ほんとに。

質の悪い者なら皆そんな所へ足掛けをつくるんだから。

※(「くさかんむり/惠」、第3水準1-91-24)子は此村の若者の中では何方かと云うと目に立つ程調った容貌と言葉を持っている二十三四の恭吉の姿を思い浮べながら、単純な頭で其を見て種々に感じて居るお久美さんを不安に思い出して来た。