轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
おくみさんとそのしゅうい
お久美さんと其の周囲
宮本 百合子
「宮本百合子全集 第一巻」河出書房、1951(昭和26)年6月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 75,369 字 · 149 页
暖味が快く体中に廻って、始めて、
「いやどうもひどい事だった。
と主人が云った時にはお関も漸う気が落ついておそれながら下の様子を見に降りると、取りちらした中に恭とお久美さんがぼんやりたって居るのを見つけた。
お関はカーッとなった。
いきなり噛みつく様な声を出して云った。
「お久美、
一体どうしたって云うのだい、それは。
何心なく立って居たお久美さんは喫驚してお関を見ると
始めてその気持が分って、少し狼狽しながら、
「彼の人達が斯んなにして行ったのよ。
私今来たばっかりで何にもしない。
と低い声で云ったけれ共お関は益々いら立って、
「さ、恭、
お前あっちへお出で、此処はいいから。
と命じてから、
「お久美、まあお座り。
とお久美さんを自分の前へ引き据えた。
「お前は此処で何をして居たんだい、え、お久美、
お云い。
すっかり白状しておしまい。
お関の口元は自分の家を滅茶滅茶にして行った若者に対しての憤怒とお久美さんに対しての嫉妬でブルブルと震えて居た。
元よりお関だってお久美さんが只偶然恭の居る所へ来合わせて何の気なしに居たのだ位は分らないではなかったけれ共、若い者同志だ、何だか分ったもんじゃあないと云う気持と、恐怖と憎しみで乱されて居たお関は疑わずには居られなかった。