轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

おくみさんとそのしゅうい

お久美さんと其の周囲

宮本 百合子

「宮本百合子全集 第一巻」河出書房、1951(昭和26)年6月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 75,369 字 · 149 页

青空文庫

始めて恭吉の容貌と挙動が人に勝れて居るのに気付くと共に此那半獣の様な男が自分の生涯の道連れであると云うのは余りみじめな、※(「くさかんむり/惠」、第3水準1-91-24)子に対しても恥かしい事だと云う思いがどうしてもまぎらされなかった。

果物などを食べながら皆がさも面白そうに下らない事を云って笑い興じて居る間に、お久美さんは独りで土間の前に立って、身の置き所の無い様な失望と激しい情無さで、さっきまでの喜びを跡片もなく洗い去る程の涙をポロポロとこぼして居た。

生きて居ても仕様の無い様な淋しさが心一杯に拡がって来るので有った。

翌日は午前に、重三はお関に連れられて近所廻りに行った。

来た時の通りな装りをして足の下に隠れて仕舞う様な籐表ての駒下駄を履いて固く成ってついて行く様子を見送って、井戸端に居た恭吉は、

「へ、好い若旦那だ。

と云って嘲笑った。

小女とお久美さんは其れを小耳に挾んで井戸端の方へ振向きながら、

「聞えると大事だよ。

と云って笑ったけれ共、お久美さんには、恭が濡れた手先をズーッとのばして白いシャツの腕で額の汗を拭いた時の様子が目に残って居た。