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こま
こま
小川 未明
「小学四年生」1937(昭和12)年10月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 2,060 字 · 5 页
赤地の原っぱで、三ちゃんや、徳ちゃんや、勇ちゃんたちが、輪になって、べいごまをまわしていました。
赤々とした、秋の日が、草木を照らしています。風が吹くと、草の葉先が光って、止まっているキチキチばったが驚いて、飛行機のように、飛び立ち、こちらのくさむらから、あちらのくさむらへと姿を隠したのでした。
けれど、一同は、そんなことに気を止めるものもありません。熱心に、こまのうなりに、瞳をすえていました。
この時刻に、学校の先生が、この原っぱを通ることがあります。みんなは遊びながらも、なんとなく、気にかかるのでありました。見つかれば、しかられやしないかと思うのであるが、また、こんなことをしたっていいという考えが、みんなの頭にもあったのであります。
三人が、夢中になっているところへ、
「おれも入れてくれないか?」と、ふいにそばから、声をかけたものがあったので、びっくりして顔を上げると、それは、黒眼鏡をかけた紙芝居のおじさんでした。
「おれも仲間に入れてくれよ。」と、おじさんは、遠慮しながら、いいました。
「おじさんも、べいをやるのかい。べいを持っているの。」と、勇ちゃんが、ききました。