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ごみだらけのまめ

ごみだらけの豆

小川 未明

「童話」1924(大正13)年9月

N3 · 进阶 · 新字新假名 · 3,335 字 · 7 页

青空文庫

「なにも食べるものがなくなれば、そんなぜいたくなことがいっていられるものでない。けっこうだ。あちらに、しまっておけばいい。」と、お父さんはいわれたのです。

美代子は、うっかりして、とんだ役にたたないものを買ってきたと後悔しました。そして、こんなものを黙って売った、乾物屋の不しんせつを思わずにいられませんでした。

「ほんとうに、あの人たちは、この際だからといって、だまって、こんなものを売ったのね。きっとほかの人々も買って、家へ帰ってからよく見て、驚いていることでしょう……。」と、美代子は思いました。

しかし、食べるものがなければ、こんなものだって、どんなにありがたいかしれないと、お父さんのいわれたことも、ほんとうだと思いました。

それで、美代子は、大事にして、その豆を箱の中にいれてしまっておきました。しかしこの必要は、まったくなかったのです。食物に困るときは、美代子の家一軒ばかりのことでなく、町全体の人々の困ることですから、いつまでも食物がこなくて、すまされるわけはありませんでした。

みんなの力で、たちまちのうちに、いろいろの食物が、町の商店へ到着しました。