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すりかえかいが

すり替え怪画

海野 十三

烏啼天駆シリーズ・5

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 12,746 字 · 26 页

青空文庫

これなら、誰が見たって、まさかこんな加筆をやったと思うまい。ふーン」

男賊は、それまでと違った一変した態度をとって、仲間を讃めた。

「あなたが、あたしにいい言葉をかけて下さるのは、こんな仕事をした直後だけに限るのよ。憎らしい人」

「さあ、急ごう、仕事が終れば、早々退場だ」

男賊は女賊を促して、さっさと部屋から出ていった。庭園に面した戸は、二人の賊を送り出すと、元のようにぴったりと閉じられた。

加筆されて怪画となり果てた名画「宝角を持つ三人のニンフ」は、そのよき静かな応接間に睡りをとったのであった。

この怪画は、それから二日後に、美術商岩田天門堂が来て、買取っていった。

地下の画室

某山脈の某地点に、烏啼天駆の持っている地下邸があった。

その一室が、かなり広くて、今は名画の間となっている。

その日、彼烏啼は、新しい画を持ちこんだ。それはルウベンスの「宝角を持つ三人のニンフ」に似た怪画であった。

彼の傍には、四十歳に近い色白の垢ぬけのした婦人がついていて、手伝っていた。

怪画は、中央のテーブルの上に、上向きに置かれた。面長白面の美男子烏啼は、待ちきれないといった顔で、婦人を促すのであった。