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そのさくはひつようか

その柵は必要か

宮本 百合子

「新日本文学」1949(昭和24)年6月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 14,783 字 · 30 页

青空文庫

についての判断、行動にプラスを加えるものとしての観念が求められている。よしんば働く人がブルジョア的な哲学や観念、自意識に魅力を感じている場合にしろ、その本質はやっぱりそれらの人々が、ひとの知っていることは何でも知りたいと希う、労働者階級の要求として、その方向に発展させられてゆかなければならないことは誰にもわかっている。労働者階級にとって、多様な勉強が必要なのは、文学が文化の一つのジャンルであるからほかの部門の勉強も必要であるというだけではない。民主主義文学は、過去の半封建的文学やブルジョア文学の本質とはことなった、よりひろい前進的な社会的土台に立っているのだから、必然に、社会科学、政治、経済にふれて来ないわけにゆかない。日本の民主主義革命そのものが、労働者階級を中軸として、農民及び市民層、民族資本家までをふくむ共同を必要としている現実は、民主的文学に多様性をもたらすと同時に、互の階級間の生きた諸関係についての理解を、欠くことのできないものにしている。人民が権力によって統一的な民主と平和のための戦線を寸断されないために。人民別、専門別、職域別、都会対地方とセクト的な感情を利用されて孤立させられる危険を克服するために。