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たましいのきょういく
たましいの教育
羽仁 もと子
「教育三十年」1932(昭和7)年
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 2,777 字 · 6 页
他の食物が入用になってきたら、早速それをあたえなくてはならないのもそのためである。しかしただそれだけでよいであろうか。
いま一つなお大切なことがある。それは時間によって、またよく考えられた分量によって、かつその発達にしたがって食物の種類をかえてゆくのもふやしてゆくのも、人間は生まれたときから本能的欲望の上に生きることの営みを打ち建て、かつその欲望を、われわれの研究によって発見し得たかぎりの法則によって統制し、馴致しつつ生活をするものだということを、幼児の肉体ばかりでなく、その良知良能に毎日毎日訴えつつ育ててゆくのだということを、ふかく自覚していることが大切である。あたえられたる外物により、またあたえられたるこの肉体の経験を通して、霊智にまですすみゆくべき消息が、このようにして人間生活のあらゆる断面に現われているのは至妙である。
幼児の宗教教育、すなわちたましいの教育はもちろんむずかしいものである。そのむずかしい一番の理由は、どこにあるのだろうか。乳をやる母の心に、子供をやしなってゆく父の心に、食物は胃腸を通して体外に出てゆくものだぐらいの思いしかないこと、それ自身なのだと私は思う。