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とびよなけ
とびよ鳴け
小川 未明
「小学六年生」1940(昭和15)年1月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 5,471 字 · 12 页
おれも、花々しく戦って、じきに後からいくから待っていろ。」と、徳蔵さんは戦友の死体を抱き起こして、涙を落としたのです。
その後のこと、我が軍は、河をはさんで敵と対峙したのでした。その結果、敵前上陸を決行しなければならなかった。なにしろ、敵はトーチカに閉じこもり、機関銃を乱射して、頑強に抵抗するのです。ついに、決死隊が募られました。我先にと申し出たので、たちまちの間に定員に達したのです。この人たちは、全軍のために犠牲となるのを名誉と思って、喜び勇んですぐ仕度にとりかかりました。
このとき、蒼白い顔をして、一人の兵士が、部隊長の前へ進み出て、自分もぜひこの中に加えてくださいといったのです。それは、徳蔵さんでした。
「後から、おまえ一人を入れると、ほかのものの申し出も許さなくてはならぬ。」と部隊長は、言葉にそういいながら、いずれ劣らぬ忠勇決死の、我が兵士の精神に感心しました。だが、徳蔵さんの熱心は、その一言で翻されるものではありません。戦死した友との誓いを告げたので、ついに部隊長も許したのでした。
決死隊が、敵に飛び入ると、敵はそれを目がけて、弾丸を集中しました。