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「どうかんがえるか」について
「どう考えるか」に就て
宮本 百合子
「改造」1946(昭和21)年2月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 4,397 字 · 9 页
最近、一つの示唆に富んだ経験をした。この頃は、いろいろなところで新しい雑誌の発行や本の出版計画がある。或る書房が、文化・文学雑誌の創刊をすることとなって、原稿をたのまれた。時間がなくて、すぐその希望には応じかねた。けれども、一部の作家が全く窒息させられていた何年かの間、少くともその書房は、将来の展望を失わず、文化の本質に対して持するところある態度を保って来ていた。ただ断ってしまうのは、何か気のすまないところがあったので、考えた末、もしや、そこならば、落着いてそういう種類のものの持つ、文化的な意味も理解されるかと思って、私がこれ迄十二年の間に、獄中の宮本へ送った手紙を、少し系統だてて年代順に載せてみたらばどうかしらと提案した。編輯に当っている人は、興味をもち、せき立って、最初の二通をもって行った。それは一九三四年十二月下旬に、市ヶ谷刑務所あてに書かれた手紙であった。
すると、二三日経って、同じ人が訪ねて来た。大変恐縮の様子で、自分は面白いと思って持って行ったが、編輯顧問をしている人々皆で読んでみたらば、「思想性」がないから、自分の方の雑誌には不適当だという強硬な意見がつよくて、失礼であるが御返しする。