轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

なよたけ

なよたけ

加藤 道夫

「三田文学 四・五月号、六月号、七・八月号、九月号、十・十一月号」1946(昭和21)年5月~10月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 81,415 字 · 163 页

青空文庫

陽が輝き始める。また陽が翳り、小鳥が鳴き出す。また小鳥の鳴声止み、陽が輝き始める。………

これが次第に烈しく繰返される。二人、狼狽して、為すことを知らず。

文麻呂 (不安そうに空を見上げ)なんだか妙な天候になって来ましたね。……

なよたけ (突然わらべ達に)みんな! 教えて頂戴! あたしには分らなくなってしまった。……この人達は一体誰なの!

雨彦 (空を見上げ)なよたけ! あんなあなだ!

わらべ達 あんなあなだ! あんなあなだ!

文麻呂 (訝しげに)どう云う意味なのです。……そのあんなあなって云うのは?

――幕――

第三幕

第一場

都大路の一廓。……とある辻広場。

葵祭の日の午後。うららかな五月の祭日和である。

舞台の両端には美しい花の咲き乱れた葵の茂みと小柴垣がある。

そぞろ歩きの平安人達が、あるいは左から右へ、あるいは右から左へと、会話をしながら往来する。その他、無言の通行人、行商人等も多勢往来する。

誰も彼もが華やかに着飾り、それぞれ美しい花のついた葵の鬘をかけて、衣裳には葵の蘰をつけている。……

遠くで、神楽の笛がひびいている。街は人々のさざめきに充ち溢れている。