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のろのろほうだんのきょうい
のろのろ砲弾の驚異
海野 十三
――金博士シリーズ・1――
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 9,247 字 · 19 页
「それは、私も見た」
「砲弾が、ものをいったでしょう。あの声は、たしかに金博士の声だった。金博士が、砲弾に化けて通ったんだろうか。わが印度では、聖者が、一団の鬼火に化けて空を飛んだという伝説はあるが、人間が砲弾になるなんて……」
「ほう、なるほど。あの声は、金博士の声に似ていた。それは本当だ」
私は、ロッセ氏には答えず、思わず自分の膝を叩いた。
5
金博士秘蔵の潜水軍艦弩竜号の客員となって、中国大陸の某所を離れたのは、それから、約一ヶ月の後だった。
もちろんロッセ氏も、共に博士の客であった。
弩竜号は、おどろくべき精鋭なる武装船であった。総トン数は、一万トンに近かったが、潜水も出来るし、浮かべばちょっとした貨物船に見えた。弩竜号に関しては、ぜひ報告したい驚異がいろいろあるが、本件の筋にはあまり関係がないから、ここには記さない。
弩竜号は、大陸を離れて五日目には、灼熱の印度洋に抜けていた。その日のうちに、セイロン島の南方二百浬のところを通過し、翌六日には、早やアラビア海に入っていた。
「ソコトラ島とクリアムリア群島との、丁度中間のところへ浮き上るつもりです」