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のろのろほうだんのきょうい

のろのろ砲弾の驚異

海野 十三

――金博士シリーズ・1――

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 9,247 字 · 19 页

青空文庫

十発のうち、二発でも一発でも命中すれば、しめたものです」

「そういう公算的射撃作戦は、どうも感心できないねえ。なぜ、そんなに焦せるのであるか。もっと落着いて、命中しやすい方針をとってはどうか。ロッセ君、あなたの話を聞いていると、聞いているわしまで、なんだかいらいらしてくる。それでは、戦闘に勝てない。ロッセ君、あなたは日本人だというけれども、あなたの電気砲設計の方針は、日本人的ではないですぞ。それとも、近代の日本人は、そんなにいらいらして来たのかな」

色眼鏡の底に、金博士の眼が光る。

ロッセ氏は、次第に沈痛な表情に移っていって、しきりに唇を噛んでいる。私は、それをとりなそうにも、いうべき言葉を知らなかった。――ロッセ氏が、或る秘め事を、ここで告白するのでなければ、どうにもならないのであった。

しばらく、息づまるような沈黙が、金博士の書斎に続いたが、やがて博士は、やおら椅子から立ち上って、室内をこつこつと歩きだした。

「ねえ、ロッセ君」

「はあ」

「わしは君に、一つのヒントを与える。砲弾の速度を、うんと低下させたら、どんなことになるか」

「射程が短縮されます。