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はたらくにしょうねん

はたらく二少年

小川 未明

「少年少女の広場」1949(昭和24)年3月

N4 · 入门 · 新字新假名 · 3,777 字 · 8 页

青空文庫

」と、Kが答えました。Nはうなずきながら、

「わたしは、ちょうどきみとははんたいで、父親の顔をおぼえていない。まったく母親の手一つで、大きくなったのさ。その母の手だすけもできぬうちに、母は死んでしまった。」

「考えると、二人とも不幸だったんだね。」

「世の中には、両親がそろって、こんな悲しみを知らないものもあるんだが。」と、Nはたばこに火をつけました。

「それでもまだきみには、やさしいおかあさんがあったからいい。さびしいときは、いつでもおもかげを思いだして、自分をなぐさめることもできるから。」といって、Kは自分の子どものころのことを話したのでした。

いつも、ぼくはさびしい子どもだった。ある日、桑畑で、いくたりかの女が桑の葉をつんでいるのを見た。なんでもその葉はどこかの養蚕地へおくられるというのだった。むすめもいれば、おばさんもいた。その中に、白い手ぬぐいをかぶった、やさしそうなおばさんがあった。ぼくは、こんなようなおかあさんがおればいいになあと、なんとなく、したわしい気がして、そのそばへいって、桑をつむてつだいをした。おばさんは、ぼくの頭をなでてくれた。