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ひすいのたま

ひすいの玉

小川 未明

「幼年クラブ」1949(昭和24)年1月

N3 · 进阶 · 新字新假名 · 3,347 字 · 7 页

青空文庫

「おじさん、いいにおいがするね。」

「この香炉をだいじに持っていた人が、たいたのだが、よほどのいい香とみえる。」

おじさんは、竹夫から、香炉をうけとると、また、もとのごとく、台の上にのせました。そのそばに、ニッケル製の、足の長い、青いかさをかぶった、ランプがありました。

「おじさん、あのランプもめずらしいの。」と、竹夫が聞くと、

「いや、あれは、さほどめずらしくない。わしなども、まだ、子どものころは、ランプのあかりで、勉強をしたものだ。」と、おじさんはいって、竹夫の聞くことを、めんどうくさがらずに、一つ、一つ、答えました。竹夫が、おじさんを、いい人だと信じたのもむりはありません。

ところが、ある日のこと、竹夫の家に来客がありました。

その人は、竹夫の父や母にむかって、こんな話をしていました。

「およそ、こっとう屋ほど、人のわるいものはありません。たとえば、人からなにか買うときは、いい品物でも、わるくいって、安く買いとるし、また、人になにか売ろうとするときは、わるいものでも、めずらしい品だとほめそやして、高く売りつけて、法外のもうけかたをするのです。しょせん、気の弱いわたくしどもの、やれる仕事でありません。