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ひすいをあいされたきさき
ひすいを愛された妃
小川 未明
「婦人倶楽部」1928(昭和3)年7月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 5,483 字 · 12 页
王さまは、妃のようすをごらんになって、
「空の星が、一時に揺らぐようじゃ。」と、仰せられたのです。また、その青い珠から放つ、一つ、一つの光に、目をとめられて、
「なんという神々しさじゃ。」と、仰せられたのです。
このとき、妃のお顔には、不安の色が浮かびました。
「私は、心配でなりません。このごろは、真物をも負かすほど、巧みに偽物が造られるということを聞きました。悲しいことに、私の目は、まだ、それを見分けるだけの力がありません……。私の身をこうして飾っている珠の中にも偽物があって、それを陛下までが美しいとごらんなされるようなことはないかと思うと、胸の中が穏やかでないのであります。」と、おっしゃいました。
王さまは、いとしい妃のお言葉を、だまって聞いていられましたが、
「おまえの心配は、もっとものことじゃ、偽物を神聖な体につけて、知らんでいるとは、すなわち私の不徳にもなることじゃ、さっそく珠の真贋を見分けることのできる人物を召し抱えることにいたそう。」と、仰せられたのでありました。
宝石を見分ける名人が、募集されることになりました。そして、いろいろの人たちが集まってきましたけれど、結局名人というのは、最後に残された一人に過ぎません。