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びっこのおうま
びっこのお馬
小川 未明
「童話」1922(大正11)年5月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 3,615 字 · 8 页
二郎は、ある日、外に立っていますと、びっこの馬が、重い荷を背中につけて、引かれていくのでありました。
二郎は、その馬を見て、かわいそうに思いました。どんなに不自由だろう。そう思うと、達者な馬は、威勢よく、はやく歩いていくのに、びっこの馬はそれに負けまいとして、汗を流していっしょうけんめいに歩いているけれど、どうしてもおくれがちになるのでありました。
「このびっこめ、はやく歩け……。」と、その馬を引いている親方は、ピシリ、ピシリとこの馬のしりを打つのでした。
二郎は、ぼんやりと立って、それを見送っていますと、やがて、往来をあちらの方へと、遠ざかっていったのであります。二郎は、まだ六つになったばかりでした。
家に入ってから、兄さんや、姉さんに、今日、あちらの道をかわいそうなびっこの馬が通ったことを話しました。しかし、兄さんも、姉さんも、自分たちは、それを見なかったから、
「二郎ちゃんは、なにを見たんだか……。」といって、笑っていました。
二郎は、自分の見た、悲しい、哀れな馬について、よく兄や、姉にわからせたいと、いろいろにあせって、どもりながら、訴えましたけれど、相手にしてくれないので、