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ふるさと

ふるさと

小川 未明

「ふるさと 47巻2号」小学校、1929(昭和4)年5月

N3 · 进阶 · 新字新假名 · 3,029 字 · 7 页

青空文庫

だれでも、自分たちが、いちばん偉いと思っていれば、たとえ不自由をしても、のんきでいられるからだ。」

こんなことを話しているうちに、いつしか、黙っているという誓いを忘れて、ふたりは、人間がやっている音楽の音に、自分たちも負けない気でうたいはじめたのでした。

すると、ふたりのほかに、どこからか、自分たちと同じような声で、うたったものがあります。

「だれだろう?」

旅の空で、仲間のうた声を聞くと、二羽の小鳥は、じっとしていられなくなりました。そして、その声のする方へ飛んでゆきました。声は、ある家の軒下からもれてきたのです。ふたりは、庭さきの木立にとまって、その声のする方をのぞくと、哀れな仲間は、狭いかごの中にいれられて、しきりと、外を見上げていました。

「人間に、捕らえられたのだな。」

「かわいそうにな。」

ふたりは、小さな声で話をしていたが、ついに、かごの中の鳥に向かって、話しかけたのです。

「どうして、人間などに捕らえられたんですか?」

「みんなそう思うでしょう。あなたがただって、もうすこしここにいてごらんなさい、いつか私のようになってしまいます。私はもう、このかごの中に、二年もいます。