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やんま

やんま

小川 未明

「教育・国語教育 5巻10号」1935(昭和10)年10月

N3 · 进阶 · 新字新假名 · 1,800 字 · 4 页

青空文庫

「どれ、どれ、私が、木の枝にとまらせてやりましょう。」と、いって、おばあさんは、やんまを庭の縁側に近い、南天の木にとまらせておきました。

「もう、逃げていったろう。」と、晩方、おばあさんが、縁側へ出てみると、そこには、やんまの羽だけが散らばっていました。小ねこのたまが食べたのです。おばあさんは、これを見ると、驚いて、たいそう立腹しました。

「今夜は、家へ入れない。」と、いって、たまをしかって、外へ出してしまいました。小ねこは、ニャアニャアと鳴いていたが、そのうち、どこへかいってしまいました。

「かわいそうに、どこへいったでしょう。」と、家の人たちが、いっていました。

「いえ、こらしめてやらなければ。」と、おばあさんは、いつまでも立腹していました。

そのとき、そこへお隣の光子さんが、たまを抱いて入ってきました。

「おばあさん、たまが、うちのお台所へきて鳴いていましたから、つれてきたのよ。」と、いいました。

おばあさんは、たまが、やんまを食べたからしかったと、お話をしました。すると、光子さんは、おばあさんの顔を見て、

「だって、たまは、やんまを食べて、わるいということを知らないのですもの。