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ろまんどうろう
ろまん灯籠
「婦人画報」1940(昭和15)年12月~1941(昭和16)年6月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 37,222 字 · 74 页
は首肯できます。また、その本能的な言動が、かえって王子を熱狂させる程の魅力になっていたのだというのも容易に推察できる事でございます。けれども、果してラプンツェルは、あきらめを知らぬ女性であろうか。本能的な、野蛮な女性であった事は首肯出来ますが、いまの此のいのちの瀬戸際に於けるラプンツェルは、すべてを諦めているように見えるではないか。死にます、とラプンツェルは言っているのです。死んだほうがよい、と言っているのです。すべてを諦めたひとの言葉ではないでしょうか。けれども初枝女史は、ラプンツェルをあきらめを知らぬ女性として指摘して居ります。軽率にそれに反対したら、叱られます。叱られるのは、いやな事ゆえ、筆者も、とにかく初枝女史の断案に賛意を表することに致します。ラプンツェルは、たしかに、あきらめを知らぬ女性であります。死なせて下さい、等という言葉は、たいへんいじらしい謙虚な響きを持って居りますが、なおよく、考えてみると、之は非常に自分勝手な、自惚れの強い言葉であります。ひとに可愛がられる事ばかり考えているのです。自分が、まだ、ひとに可愛がられる資格があると自惚れることの出来る間は、生き甲斐もあり、この世も楽しい。