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エマヌエル・カント『しぜんてつがくげんり』かいせつ
エマヌエル・カント『自然哲学原理』解説
戸坂 潤
「カント著作集 第一一巻」岩波書店、1929(昭和4)年7月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 36,570 字 · 72 页
即ち自然的世界知の形而上学的原理と実践的世界知の夫である。かくすれば目的の主著は過多にして而も不充分なる事例のために膨大となり過ぎるのを免れることが出来るであろう」、と。それ故この年にはすでにわが著作の「材料が揃って」いたのであって、ただ問題はそれを書き下すか否かにしかないように見える。処がかの重大なる就職論文(一七七〇年)を以て始まる批判主義の自覚はこの計画を再び延期するのを余儀なくしたのであろう。ランベルトへの手紙から正に二十年にして始めてカントは吾々の問題に立ち帰って来る。一七八五年九月十三日にシュッツへ与えた手紙に於て彼は、二十年以前の計画を再びそのままとりあげている、吾々はその一貫不易な計画をば一種の驚きを以て眺める外はない。「私は約束の自然の形而上学に至る前に先ず、その単なる応用ではあるが併し経験的概念を予想する処のもの、即ち物体論の形而上学的原理、並びに之に付録して精神論のそれ*、を片付けて了わねばならなかった。……私は之を自然科学の形而上学的原理の名の下にこの夏脱稿した。……もし私が右手を傷めなかったならばミカエル祭(九月二十九日)には出版出来た処であるが、それのために後の方は書くのが遅れたのである。