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キドこうか
キド効果
海野 十三
「新青年」1933(昭和8)年1月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 12,298 字 · 25 页
其の後いろいろ研究の結果、一層確信するに至りました」
「すると博士のキド現象に現れているK興奮は一体どうなるのです。またそれが博士の失踪となにか関係があるのですか」
「実にお気の毒なことですがね」と丘は顔を曇らせて云った。「博士には精神異常の素質が潜在していたのです。博士は多分それにお気がつかれなかったらしい。測定者木戸博士のその異常興奮が、博士の測定されるあらゆる実験結果の中に混入していたのです。恰も測定される方の人間に精神異常の素質があるように誤解されていたのです。これは外にも似たようなことがないでもないのです。「身体効果」というのも其の一つですが、測定者が身体を装置に近づけ過ぎると今まで地球の方へ逃げていた電気が、今度はその身体を通って逃げてゆくため誤解を生ずる――という効果をいうのです。木戸博士の身体に隠れていた異常素質が、興奮曲線に誤りを混入させたんです。『キド現象』という恐ろしい発見は要するに間違いだったんです。此の誤差混入の効果を、われわれは『キド現象』と呼ぶ代りに、これから『キド効果』と呼ぶことにしたいと思います。第五図のあのK興奮の曲線は博士が、不識のうちに自らこの『キド効果』