轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
スウィスにっき
スウィス日記
辻村 伊助
辻村伊助『スウィス日記』。同一底本的分册已合并为一书。收入:スウィス日記、続スウィス日記(千九百二十三年稿)。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 216,275 字 · 410 页
ツェル・アム・ゼー Zell am See
トリエストへは南へガスタインの谷へ入る、私は小さな汽車へ乗りかえて、なおサルツァッハの急流にそうて、午後四時ウンテル・ピンツガウの小村、ツェル・アム・ゼーに着いた。雨は小降りながらまだ止まない。湖水に沿うた停車場のピンツガウエル・ホーフに泊り込む、客は勿論私きりで、室には火の気もないから、外套なしではいられなかった。宿はいなかびた木造で、下には、あやしげなビュフェーを兼ねた食堂がある。丘の上で、森と牧場と、村の田舎家と入り違いになった西の山が、シュミッテンホョーエ Schmittenh※(ダイエレシス付きO小文字)he, 1968m. につづいている。
ツェル・アム・ゼー Zell am See
ツェルラーゼーの湖水そのものは、ケョーニッヒスゼーやオーベルゼーに比して、たしかに優っておるとは思われない。ピンツガウタールの落ち口の、南にうちひらいた谷あいに、長さ一里にわたってたたえられた、その水の色も、アルプスの山ふところに蔵くされた湖としては、余り凄みに乏しく、また、それを取りまく山々も、雪は近いが、水ぎわに氷河の垂れ下るような、きびきびした景色とはまるで違う、その湖畔に建てられた、ツェル・アム・ゼーの村も、夏の間避暑に来る町の人達をあてにするだけに、田舎のくせに、いやに開けた風を見せつけた、要するに感じ