轻松读懂日语经典作品
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ズラかったしんきち
ズラかった信吉
宮本 百合子
「改造」1931(昭和6)年7~9月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 54,656 字 · 110 页
「だが――何故『鋤』工場でも、食糧配給監督の突撃隊をこしらえちゃいけないんだ?」
「ヤーシャ! いいこと思いついた! ほんとに、何故われわれんとこで、食糧配給監督をやることに思いつかなかったんだろう!」
キラキラ輝く顔になって、オーリャが手を叩いた。
「ヤーシャ! いいわ。ステキだよ、やろう! え? やろう! どう? みんな?」
「ふむ」
ノーソフが、ゆっくり頭を掻きながら満足げに呻った。
「こりゃ、プロレタリアートの自発性だ」
「そうだとも! われわれは積極的にやらなくっちゃ。直ぐみんなにこのこと話そう!」
「待ちな」
ヤーシャが、半袖シャツからつき出ているガン丈な腕を曲げて金網をかぶせた時計を見た。
「これからじゃ間に合わない。帰りにしよう。所持品棚のところへはどうせみんな来るんだ」
「そいでさ、交代の連中だって一緒に聞くもん、なおいいや」
勢づいたアーニャが信吉の髪の毛をひっぱった。
「こんなに真黒な毛生やしてても、為になることも覚えてるんだね」
「俺ら直ぐアジプロ部へ行って来る」
ヤーシャは、はじめ歩いていたが見ているうちにだんだん大股になり、とうとう駆け出した。