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『ぐうぞうさいこう』じょげん

ゼエレン・キェルケゴオル

和辻 哲郎

和辻哲郎『ゼエレン・キェルケゴオル』。同一底本的分册已合并为一书。收入:『偶像再興』序言、「自然」を深めよ、ある思想家の手紙、生きること作ること、院展遠望、樹の根、偶像崇拝の心理、自己の肯定と否定と、すべての芽を培え、創作の心理について、停車場で感じたこと、転向、霊的本能主義、エレオノラ・デュウゼ、ベエトォフェンの面、「ゼエレン・キェルケゴオル」序。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 101,567 字 · 212 页

青空文庫

科学の道に入れば彼は自然と人生とに現われた微妙な法則に驚異してある知られざる力に衝き当たらずにはいられない。哲学者としては彼は生命の創造力の無限に驚いて人智のかなたに広い世界を認めることになる。――偶像は再び求められるのである。

神は再びよみがえらなくてはならぬ。それがキリスト再臨によって証せられるか否かは我らの知るところでない。我らは神を知らない。しかし我らの生が神と交通し得るものであることは疑うわけに行かぬ。神は教会の神として、教理の神として死んで行った。しかし我らの無限の要求は、この神の死によって煩わされはしない。我らは神の名を失った、しかし我らは彼に付すべき新しい名を求めずにはいられない。彼は「意志」と呼ばれるべきであるか。「絶対者」と言われるべきであるか。あるいはまた「電子」と呼ばれるべきであるか。恐らくそれらの名は新しいパウロによって鬼神として斥けらるべきものだろう。我らは「知らざる神に」祭壇を築いて、その神を説きあかすべきパウロの出現を待つ。そうして近代精神の造り出したあらゆる偶像の破壊を期待する。

右のごとき偶像の破壊と再興とは、十九世紀末の大いなる個人の生活によって例示せられた。