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ソヴェトのしばい

ソヴェトの芝居

宮本 百合子

「改造」1931(昭和6)年3、4月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 26,289 字 · 53 页

青空文庫

が、メイエルホリドの場合では、この称号が彼の才能を一定の場所に繋ぎとめるどんな材料ともなっていない。

メイエルホリドの天分の豊かなこと。それはソヴェトの観衆が十分知りぬいているどころか、世界に知られている事実。常に研究的で、新しい試みに対して大胆であること。それも、例えば一九二一年から二八、九年までの仕事ぶりを見れば分る。メイエルホリドの特徴はこの点に集約されていると云える。

ところで、まだ誰にも、ハッキリ分らないことが一つある。それはソヴェトの五ヵ年計画と――刻々に前進する社会主義の社会の現実とメイエルホリドが独特性としている芸術理解の特色=極端な様式化と構成派風な偏奇さ、誇張、一種の病的さなどが労働と互にどういう関係において発展してゆくかという問題だ。

生産拡張の五ヵ年計画は、ソヴェト生産を十倍、六十倍という凄い率で増加させるとともに、工業では生産の九二パーセントを、農業では六五パーセントを社会化する。これは社会生活全線の社会主義的前進を意味する。五ヵ年計画がはじまって、第二年目の一九三〇年にはソヴェトの生産と文学との関係が、「十月」以来どの時期にもなかった程緊密になった。