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ドミノのおつげ
ドミノのお告げ
久坂 葉子
「VIKING 17号」1950(昭和25)年4月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 20,713 字 · 42 页
親切にそう云ってくれます。私は堀川さんの店を出て、二三軒、通りがかりの貴金属屋に銀の値をきいてみました。十五円だと云ったり、二十四円だと云ったり、かなりまちまちでした。銀のことは明日、品物をみせてからにして、よくあたる八卦見だというそのゴチャゴチャした支那うどんを食べさせたり、安物のスタンドバーのあったりする裏通りの角っこに私はやって来ました。他に御客はなく、白髪のおじいさんは何と和とじの本をよんでおります。
「みてほしいんですけど。一体幾ら?」
「百円」
ぶつっとそう云って、彼は私の顔をみました。その顔は小学校の時の先生によく似ておりました。
「年は、生まれた月日は?」
私は自分の生年月日を告げます。竹の細い棒を何度もわけたり一しょにしたりして呪文を唱えているのをみながら、始めは冷やかし半分の気持でしたが、だんだんと真剣になって来ました。何を予言されるのだろう。五分間位、呪文がつづきその揚句、また木のドミノのようなもので、裏がえしたりおきかえたりしております。そのドミノの赤い線がみえたりかくれたりして、私の心を冷々させます。
「あなたは……」
「はい」