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ドミノのおつげ

ドミノのお告げ

久坂 葉子

「VIKING 17号」1950(昭和25)年4月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 20,713 字 · 42 页

青空文庫

きざみ入れのさらさのえんじがいい色です。

「東さんのところへ行くと、ほしいものだらけ。父様、朝鮮箪笥もあったわよ」

「そうかい。焼いてしまったけどあのうちにあったのもいい色だったね。さみしいことだよ」

「まあまあ旦那さん。元気出しなされ」

東の主人はそう云って明日品物をとりに来ると出て行きました。

叔母がはいって来て、宝くじが全部駄目だったと告げました。

「雪ちゃんに、ホテル約束したのにね、ワンコースを。駄目だった。来月はあたってみせるわ」

つぎだらけのスカートをはいた叔母は、大きな声で笑いながらそう云いました。

「おばさま。毎月毎月買う分、計算したらずいぶんのマイナスでしょう」

「そうなのよ。でもやめられないわ」

二人は又笑いました。

「まだまだ、貧乏と云っても、私達はぜいたくかも知れないわ。おばさん、今夜は牛肉よ。宝くじにあたらなかった残念会にしようか」

叔母はせかせかと茶室の方へゆきました。渡り廊下の戸がパタンといって冷い風がはいって来ました。

「もう湯たんぽがいるわね」

私はガラクタ入れの中から湯たんぽを出して来ました。ほこりをはらって水をいれるとそれはジャージャーもって使えないようになっておりました。