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ヒューマニズムへのみち
ヒューマニズムへの道
宮本 百合子
文芸時評
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 12,343 字 · 24 页
インテリゲンツィアが階級をもたぬものであることや、可動的な本質から弱いものであるというような一応型にはまった、消極性の自認が近頃はやるけれども、本当に一人一人が、自分の毎日の生活の内部から現実に身をひたして感じつめて行けば、そこにインテリゲンツィアとしての独自的な要求が湧かない訳はないのである。労働者の要求とは又違ったインテリゲンツィア独特の面からの人間的要求、それを実現してゆく熱意、その門を通じて大衆の動きに参加してゆく可能がない筈はないのである。その道をつきつめて行った場合、はじめてインテリゲンツィアはインテリゲンツィアであるからこそもち得るという種類の、労働者とは違った、だが方向を一つにした不屈な強さをもち、質的に発展することが出来るのであると思う。何か目をそらし何か正面から自身の心とさえ取組もうとしない今日の多数のインテリゲンツィアを、先ず自身の日常の可能の自覚の前にぴったりと引据えること、その任務こそ、ヒューマニズムが生新溌剌とした新文芸思潮として負うている任務の最も重大な一つであろうと思う。〔一九三七年四月〕