轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
フロレンス・ナイチンゲールのしょうがい
フロレンス・ナイチンゲールの生涯
宮本 百合子
「婦人朝日」1940(昭和15)年4月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 10,310 字 · 21 页
ヴィクトーリア女皇が贈ったブローチを白レースの襟の上に飾ったナイチンゲールの肖像は世界の隅々にまで流布した。
世間的な名声は、クリミヤでの英雄的な行為の記憶によって、世の人々の間に生きた。が、それから後の三十年間に、ナイチンゲールがほとんど長椅子の上に臥たきりで完成した事の意義こそは、更に重大であった。ナイチンゲールにとってクリミヤでの成果は彼女の経歴の有益な踏み石に過ぎず、それは世界を働かせる為の梃子台であった。クリミヤでの激労ですっかり健康を害してイギリスに着いた彼女は、心臓衰弱に襲われ、たえず気絶の発作と全身の衰弱に悩まされた。医師は極力静養を求める。ナイチンゲールにとって、どうして今休養などをとっていられよう。今こそ好機が到来したのだ。鉄は熱い中にこそ打つべきだ。長椅子の上であえぎながら、彼女は報告を読み、手紙を口述し、心悸亢進の合間には熱病的な冗談をとばした。ナイチンゲールは、イギリスの陸軍病院の全組織の改善という大計画につかれているのであった。自分の体のままにならないフロレンスは間もなく自分の周囲に献身的な人々の小さい群をもった。もっとも重要なのは後に陸軍大臣となったシドニー・ハーバートとその夫人とであった。