轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
フロレンス・ナイチンゲールのしょうがい
フロレンス・ナイチンゲールの生涯
宮本 百合子
「婦人朝日」1940(昭和15)年4月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 10,310 字 · 21 页
どこか気性に独創的なところのある、富裕な教養たかいこの令嬢のまわりには、当然崇拝者の何人かが動いていたろうしまたどこの社会でも共通なように、彼女の両親の社会的な地位により多くの魅惑を感じている青年やその親たちが、月並のお世辞で彼女をとりまいてもいたであろう。だが、フロレンスの両親はやがてこの才色兼備のわが娘の素振りに、少しずつ疑問を抱きはじめた。
世間では親も娘もそれを唯一の目的として心を砕いている婿選びに興味をもつ素振りもないし、社交界に出たばかりの娘たちを有頂天にさせる華美な遊楽や交際も、フロレンスはただ生れ合わせた境遇の義務の一つとして、それに従っているというだけのように見える。フロレンスの心がそこで満されていないということは、ふとしたおりおりにフロレンスの表情ににじむ何ともいえない倦怠のかげから十分察しられる。何不自由ない淑女であるフロレンスがもとめているものは、一体何なのだろう。
彼女は自分のうちに、正に燃え立って焔となろうと願っている一つの激しくせつない欲望を感じているのであった。一人の女として、自分の全心をうちこんでやれるような意義のある何事かをしたいという情熱、自分の生涯をその火に賭して悔いない仕事、それをこのヴィクトーリア時代の淑女はさがし求めて、毎日のなまぬるいしきたりずくめの上流生活