轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
フロレンス・ナイチンゲールのしょうがい
フロレンス・ナイチンゲールの生涯
宮本 百合子
「婦人朝日」1940(昭和15)年4月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 10,310 字 · 21 页
ロンドンの社交季節の閑をぬすんで貧民学校や救護所の見学をした。両親との贅沢な外国旅行の間に、暇を見つけては病院めぐりをし、貧民窟めぐりをし、ヨーロッパの大都会の病院と貧民窟とでフロレンスの知らないところはないという位になった。ドイツのカイゼルスウェールト温泉へ母と姉とで逗留したとき、フロレンスは二人の貴婦人たちが入湯や社交に日を消している間をぬけ出して、同地の看護婦養成所に三ヵ月以上も滞在した。「これこそ彼女の生涯を支配した重大事件であった」と、興味ある伝記作者のリットン・ストレーチーは、記録している。
同じころ、更にもう一つの重大事件というべきものが、フロレンスの生活をその根から揺り動かした。やがて三十歳になろうとしている婦人の強烈な情感が一人の優秀な青年にひきつけられたのであった。フロレンスにとってこの情感のなみは全く新しいものであり、その激しい生れつきにふさわしく並々ならない動揺を来したらしく見える。当時のしきたりは、生粋の上流人であるフロレンスの感情の秩序にもしみこんでいるのであるから、彼女にとって恋愛の心は結婚の門に通じている一本道の上だけで自身に向って承認されるものである。