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プロレタリアびじゅつてんをみる
プロレタリア美術展を観る
宮本 百合子
「東京日日新聞」1930(昭和5)年12月3、4、5日号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 2,248 字 · 5 页
革命十四年目にあるソヴェト・ロシアの絵は、勝利したプロレタリアート管理の下に拡大されつつある生産を(特に五ヵ年計画によって)農業の集団化を記念碑的に表現している。白色テロルと戦いつつある日本の上野におけるプロレタリア美術展の画は、日常闘争の報告と、階級意識への熱心な呼びかけをもってる。当然そうあるべきことだ。
(二)
ところでもう一つ、総体的に興味を感じたことは、陳列されている画が一種型にはまらぬ柔軟性を持っていることだ。描き手が若い人々で、ブルジョア美術の伝統によごされてないということが一つの理由。技術の素朴さから来る瑞々しさもまた理由の一つ。もし、技術の素朴さからだけいえば、ソヴェトの若き人々の技術だって充分素朴だ。しかし、総体の印象をつかんでいう場合、画面から来る感じにこの展覧会の画から来るような柔軟性が欠けている。日本人独特の絵のうまさが、充実した内容と、新鮮で率直な表現とで、大いに楽しき未来を約束している。
勿論、そうだからといって、一つ一つの絵がみんな満点といえないのは明かだ。例えば、技術の不足からうんと人間の顔のかさなった大きな集団を扱ったものは、より少く効果的だ。