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ベートーヴェンのしょうがい
ベートーヴェンの生涯
片山 敏彦
片山敏彦『ベートーヴェンの生涯』。同一底本的分册已合并为一书。收入:ベートーヴェンの生涯、ベートーヴェンの生涯。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 6,470 字 · 14 页
この大著の中で著者が綿密に――分析と綜合との稀有な共働によって――展開したところのベートーヴェンの音楽の意味を、簡単な要約によってここに紹介することは可能なことではないが、ただ一つ、その中心核をなす主題の一つに触れるとすれば、それはベートーヴェンの音楽の Urlinie 根元線の問題である。
人がベートーヴェンの音楽を、浪漫主義とも古典主義とも片づけきれないのは、この音楽の『根元線』(本質的素描性)がまったく無比の性質を示しているためである。形式的構造の合理主義のみから観て行けばとうてい突破のできぬ超合理の雲霧にいつのまにか取り巻かれるであろう。また単に感情のみを頼りにしてゆけば、感情に密着している巨人的構造性の秘密はつかめないであろう。
「一面には感覚と情感と追憶と憧憬――日常生活を養っているこれらの要素。それらを超えて魂の基底。――それはベートーヴェンに関する最良の文献学者(私は、ベートーヴェン音楽に関する『言語発達史』の教師と彼を呼びたいのだが)ハインリッヒ・シェンカーが、『根元線』または『魂の核心の写真像』と呼んだところのものである。」
意識が二つの階梯をつくっている。