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ペスときょうだい

ペスときょうだい

小川 未明

「幼年クラブ」1948(昭和23)年1月

N3 · 进阶 · 新字新假名 · 3,272 字 · 7 页

青空文庫

」と、太郎はしたうちしたのです。

夜になると兄弟は、ともしびの下でくりをやいたり雑誌を見たりしていました。ふけるにつれてヒュウヒュウと風がつのり、パラパラといって、吹雪がまどにあたりました。

「お父さんは、暗くておこまりだろう。ぼく、とちゅうまでむかえにいこうか。」と、秀吉が外へ耳をすましながらいうと、

「いいえ、むかえにいかなくても、だいじょうぶです。お父さんは知り合いがおありですし、おまえのほうがしんぱいですから。」と、つぎの間にねているお母さんがいわれました。

「ペスがついていけばよかったんだ。」と、兄はまたくりかえしました。

「どこかわるいんだよ。さっきお宮の境内へしいの実をひろいにいったとき、呼んだけれどこなかったのだ。いつもならよろこんでとんでくるのに。」と、秀吉はペスをかばうつもりでこたえました。

「それなら、なにも食べられそうもないのに。」と、ペスが音をたてて、ご飯を食べている姿を、兄は思い出したのでした。

くりのこげるにおいが、つめたいへやの空気へひろがりました。けれど兄弟は、外のあらしに気をとられるので、おちつかなかったのです。兄はなんと思ったか、立ちあがると入り口へ出て、戸をあけました。