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ペスをさがしに
ペスをさがしに
小川 未明
「児童読物研究」1933(昭和8)年2月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 4,152 字 · 9 页
日曜日に、川へ寒ぶなを釣りにゆく、約束がしてあったからです。
「どうしよう? ペスをさがしにゆくのをよして、釣りにゆこうか。」と、正ちゃんは、兄の達ちゃんを見上げました。
「おまえは、釣りにいってもいい。僕は、ペスをさがしにゆくから。」と、達ちゃんが答えました。
小田も、高橋も、よくペスのことを知っていました。達ちゃんと正ちゃんの話をきくと、
「僕たちも、いっしょに、ペスをさがしにゆこう。そして、はやく見つかったら、みんなで釣りに出かけよう。」と、小田がいいますと、高橋も賛成しました。
「釣りざおとバケツを、ここに置いてくれない。」
やがて、みんなが、一団となって、ペスをさがしにゆきました。その中に、小さい政ちゃんもはいっていました。
橋のところから、ペスのいったという、道を歩いて、原っぱへ出て、半分は、散歩の気分で、愉快そうに話しながら、足の向く方にあるいていったのであります。
あちらに、自動車や、自転車の走っているのが見える、駅の付近にきたとき、
「ほら、あすこに、ペスがいるじゃないか。」と、ふいに政ちゃんが、指さしました。見ると、なるほど、牛肉屋の前に白い毛に日の丸の斑のはいった、ペスそっくりの犬がいました。