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ペンクラブのパリたいかい

ペンクラブのパリ大会

宮本 百合子

議題の抜粋についての感想

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 2,922 字 · 6 页

青空文庫

六月下旬にパリで四日間に亙って開催された国際ペンクラブの第十五回大会に、有島生馬氏や井上勇氏、久米正雄氏などが出席したことが新聞に出ている。その議事日程の中、委員付託による四つの問題の検討がされている。(A)世界文学に今日のスタイルというべきものが存するか。(B)翻訳以外に如何なる方法で文化の世界化を援助すべきや、特に如何にして各国間における批評の交換を計りまた国際批評の組織をはかるべきか。(C)今日及び明日の文学における集団の発言方法及びその可能性について。(D)現代世界における詩の将来(現実社会状勢中における詩の位置。)

どの課題も十分研究されるべき性質をもつものであるけれども、特別(B)(C)(D)とについては、散漫ながら誰の心の裡にも直ぐ湧く様々の感想があろうと云うものである。

現実の生活環境から超絶したものの観かた、感じかたは出来ないのであるから、国際ペンクラブの大会で討論されたという(B)の一項目をしげしげと眺め入って、そこに今日の日本文化人の渇望がいかにはげしく照りかえしているかという事実、同時に実際上の困難がこれ又いかに尠くないかということを痛感するのは、ただ数人の日本ペン倶楽部代表者たちだけではないであろう。