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かぜのまたさぶろう
ポラーノの広場
宮沢賢治『ポラーノの広場』。同一底本的分册已合并为一书。收入:風野又三郎、タネリはたしかにいちにち噛んでいたようだった、ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記、若い木霊。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 67,062 字 · 135 页
そしてネネムはまちをこめた黄色の夕暮の中の物干台にフゥフィーボー博士が無事に到着して家の中に入って行くのをたしかに見ました。
そこでネネムは教室を出てはしご段を降りますと、そこには学生が実に沢山泣いていました。全く三千六百五十三回、則ち閏年も入れて十年という間、日曜も夏休みもなしに落第ばかりしていては、これが泣かないでいられましょうか。けれどもネネムは全くそれとは違います。
元気よく大学校の門を出て、自分の胸の番地を指さして通りかかったくらげのようなばけものに、どう行ったらいいかをたずねました。
するとそのばけものは、ひどく叮寧におじぎをして、
「ええ。それは世界裁判長のお邸でございます。ここから二チェーンほどおいでになりますと、大きな粘土でかためた家がございます。すぐおわかりでございましょう。どうか私もよろしくお引き立てをねがいます。」と云って又叮寧におじぎをしました。
ネネムはそこで一時間一ノット一チェーンの速さで、そちらへ進んで参りました。たちまち道の右側に、その粘土作りの大きな家がしゃんと立って、世界裁判長官邸と看板がかかって居りました。
「ご免なさい。