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ルルとミミ

ルルとミミ

とだ けん

「九州日報」1926(大正15)年3~4月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 11,628 字 · 24 页

青空文庫

ミミもその背中にたおれかかって泣きました。

「これこれ。ルルや、そんなに泣くのじゃない。おまえはまだ小さいのだから、鐘が上手に出来なくてもちっとも恥かしいことはない。ミミももう泣くのをおやめなさい」

と、いろいろに村の人は兄妹を慰めました。そうして、親切に二人をいたわって家まで送ってやりました。

ルルは小供ながらも一生懸命で鐘を作ったのでした。

「この鐘こそはきっといい音が出るに違いない。そっとたたいても、たまらないいい音がするのだから。湖の底に沈んでいらっしゃるお父様の耳までもきっと達くに違いない」

と思っていたのでした。その鐘が鳴らなかったのですから、ルルは不思議でなりませんでした。

「どうしたら本当に鳴る鐘が作れるのであろう」

と考えましたが、それもルルにはわかりませんでした。

ルルは泣いても泣いても尽きない程泣きました。ミミも一所に泣きました。こうして兄妹は泣きながら家に帰って、泣きながら抱き合って寝床に這入りました。

その夜のこと……。ルルはひとりおき上りまして、泣き疲れてスヤスヤ睡っている妹の頬にソッと接吻をして、家を出ました。只だ一人で湖のふちへ来て、真黒く濁った水の底深く沈んでしまいました。