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ロボットとベッドのじゅうりょう
ロボットとベッドの重量
直木 三十五
「新青年」博文館、1931(昭和6)年3月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 8,963 字 · 18 页
「気味が悪いですねえ。魂があるようだ。」
夫人は、ベッドのカーテンを開けた。そして、腰をかけて、
「ここで、話しましょう。」
と、いって、椅子を、ベッドの横へ置いて、クッションの上へ、肱を突いた。
七
「ロボめ、じっと、見ていやあがる。」
男は、椅子から、立上った。そして、椅子を、カーテンの外へ出して、カーテンを引いた。
夫人は、大きいクッションの上へ、身体を凭れさせて、片脚を、ベッドの外に、垂れていた。男は、ベッドの縁に、腰をかけて、
「僕は――」
情熱的な眼で、夫人を見た。夫人は、頭を、クッションの中へ埋めて、細く、眼を開いて、
「何あに。」
それは、牝猫のような、媚と、柔かさを含んだ声であった。男が……
「ロボは、接吻ができますか。」
「一種だけなら、簡単な――」
「じゃ、それは、人間の方が、有利なんですね。」
「そうよ。」
男は、夫人に近づいた。そして、ベッドの上へ、深く、腰かけた。そして、夫人の方へ手を廻した。
「いけない。」
夫人が、頭を振った。それは、拒絶の外観をもった、誘惑的な、媚態の一種にすぎなかった。
ロボットは、ベッドからの信号と同時に、真直ぐに、それは、俊太郎の計算通りに、正確に、進んできた。