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ロボットとベッドのじゅうりょう

ロボットとベッドの重量

直木 三十五

「新青年」博文館、1931(昭和6)年3月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 8,963 字 · 18 页

青空文庫

そして、カーテンを、頭と、身体とで押分けて入って行った。

「ロボさん、来ちゃいけない。」

と、夫人が叫んだ。男が、

「馬鹿。」

と、叫んだ。ロボットは、両手を拡げた。

「どうするの。」

と、夫人が叫んだ時、ベッドぐるみ二人を抱くように、大きく手を拡げて、二人が、蒼白に――それは、奇怪な、ロボットの行為に、気味悪さを感じて、骨の髄から、恐怖に、身体を冷たくした瞬間――その、軟かい、だが、力強い手で、二人を、抱きしめてしまった。

「いけない、放して。」

夫人は、ロボットの手から、腕を抜こうとした。男は、肩の骨の上から抱えられて、右手で、ベッドの枠を握りながら、全身の力で、抜出そうともがいていた。夫人は、脚で、空を蹴ったり、ロボットを蹴ったり、顔を歪めて、恐怖の眼を剥出して、

「誰か、誰か――来て頂戴。」

と、絶叫した。ロボットは、徐々に、正確に、二人を、締めつけて行った。……………………………………………………………………、二人の骨が痛んだ。

「ああッ――痛い。」

夫人が、叫んだ。その刹那、ロボットが、

「ベッドを汚したからだ。」

と、いった。それは、俊太郎に、よく似た声のように、二人には聞えた。