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まんのし
万の死
小川 未明
「新児童文化 第4冊」1949(昭和24)年11月
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 4,457 字 · 9 页
このとき、冷えたものか、かぜをひいたのです。その夜から、急激に熱が高くなって、医者にもかかったけれど、ついに悪性の肺炎を起こし、近所の人々が看護をしてくれたかいもなく、とうとう、死んでしまいました。
万の葬式は、わずかに彼を知る村の人々だけで、さびしくおこなわれました。当日、柩が村を出て、山麓の墓地へさしかかろうとすると、このとき、どこからあらわれ出たものか、たくさんの乞食や、浮浪児が列をつくって、柩の後についてきたので、一同がびっくりしました。年の若い、元気な役場のものが、
「今日はおまえたちに、ほどこすものなんかないんだ。」といいました。すると、その中の年よりの乞食が、
「そんなつもりでありません。お弔いにきたんです。」と、答えました。
これを聞くと、役場のものはじめ、村の人たちは、不思議な気がして、急には、なっとくできなかったのです。
「なぜ、わざわざ、こんなにしてやってくるのだ。」と、ひげをはやした書記が、いちばん先にいた宿なし少年にたずねました。
「だって、死んだおじさんは、おれたちに、やさしい、いいおじさんだったもの。」と、少年は答えました。