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さんにんのそうせいじ
三人の双生児
海野 十三
「新青年」1934(昭和9)年9、10月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 43,806 字 · 87 页
それは自分を墓穴に埋めるに等しかった。どうして堪えられよう。
「速水さん。お願いですから、智恵を借して下さい。十分恩に着ますわ」
「さあ――わたくしも奥さまを絞首台にのぼらすことも、また社会的に葬ることも、あまり好まないんでございますが――」
と女史は意地悪いまでの落着きを見せて、
「でも困りましたねえ――」
「お礼なら十分しますわ」
「いや銭金で片づかないことでございます」
と突っぱねて、
「といってこのままでは絞首台の縄が近づいてくるばかりで……ああ、そうですわ、仕方がありませんから、妾の親しい医師の金田氏を呼びましょう。彼に頼みましてこの場をあっさりと死亡診断させてしまいましょう」
この女史の提案を受けて妾はああ助かったとホッと息をついた。この場がうまく治まりさえすればいい。真一の屍体が火葬炉の中で灰になってくれさえすればそれで万事治まる。妾は女史に謝意を表して早速その金田医師を呼んでくるように頼んだ。女史は別人のように快く引受けると、すぐその手配をしてくれた。
やがて金田医師というのが、駈けつけてくれた。彼は真一を申し訳に診ただけで、
「心臓麻痺――ですな。