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さんにんのそうまだいさく

三人の相馬大作

直木 三十五

在线阅读直木 三十五《三人の相馬大作(さんにんのそうまだいさく)》,假名注音日语阅读。JLPT N2,点词查义。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 32,603 字 · 66 页

青空文庫

役人の一人や、二人斬ったとて、何んになる」

右源太は

(そうだ。大作は、そういう人間だ)

と、思った。そして

「参る。拙者、参ります」

と、叫んで、憑かれた人のように、ずかずかと、玄関へ進んだ。

「よし、一人でよい。それとも、もっと参るか?」

と、いったが、誰も、答えなかった。大作が、奥へはいると共に、右源太は、敷居につまずきながら、ついて行った。

三十二

大作は、帯を解きながら

「あの時の男か?」

「はっ」

「あの時は、危なかったらしいの」

「はっ」

庭の方に、役人が立っていたが、大作と、右源太とを、じっと眺めていた。与力の一人が、走ってきて、何か囁いて、そのまま、二人に眼をやっていた。右源太は、厳粛な顔をして、立ちながら、小声で

「はっ、はっ」

と、答えて、腋の下に、冷汗を流していた。大作は、薄い柳行李から、袴を出しながら

「あの節は、拙者を調べにでも参ったのか」

「はっ」

「わしがおったのでよかった。もしおらなかったなら、撲り殺されていたかもしれん」

「忝のう存ず――」

と、までいって、右源太は、頭を下げて、周章てて、又上げた。大作は、帯を締めて、袴をつけて床の間の刀をとった。