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さんじゅうねんごのせかい
三十年後の世界
海野 十三
「少年読売」1948(昭和23)年3~12月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 68,140 字 · 137 页
しかしマルモ隊長は、それをゆるさなかった。
「もうすこし遠くから様子を見てからのことにしないと、危険だ。君たちは、われわれの宇宙旅行に必要な人なんだから、そういう危険が考えられるとき、行くのはやめてもらいたい」
隊長は、そういった。
これには、カンノ博士とスミレ女史の進言が、一つの力になっていた。
この二人の科学技術者は、光る怪塔に対して、強い警戒心をおこしていた。とにかく、探検隊の一大危機が来たと考えるのが正しいと、マルモ隊長にいったほどだ。
そのために、マルモ隊長は、宇宙艇がいつでもこの火星から離陸し、宇宙へとびだすことができる用意をして、待機していることを命じた。
「あの怪塔の中から、何者が出てくるか、それが問題の別れ目です」
とカンノ博士はいう。
「いままで観察して来たところによれば、あのような怪塔をあのような方法で組み立てるというのは、人類に近い生物でないと出来ないことです。そして、人類よりもずっと高級な生物にちがいありません。われわれよりも、すこしでも高級であるならわれわれは非常に不利な立場におかれるわけで、これからは怪塔の主に、あたまをおさえられていなくてはならんですからねえ。