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さんじゅうねんごのとうきょう
三十年後の東京
海野 十三
「少年読売」1947(昭和22)年10~12月
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 13,731 字 · 28 页
そのために、われわれ地球人類の力は弱くなり、いざ星人がやってきたときには防衛力が弱くて、かんたんに彼らの前に手をつき、頭をさげなければならないだろう。――それをおもえば、今われわれ人類の国と国とが戦争するのはよくないことである。つまり、『今おこりかかっている戦争はおよしなさい』と警告したのです」
「ああ、なるほど、なるほど、そのとおりですね」
「それが両国によく分ったと見えましてね、爆発寸前というところで戦争のおこるのは、くいとめられたんです。お分りですかな」
「それはよかったですね。しかし、そんならなぜ、あのようにたくさんの原子弾の警戒塔や警報所や待避壕なんかが、今もならんでいるのですか」
正吉には、そのわけが分らなかった。
「いやあれは、あたらしく襲来するかもしれない宇宙の外からの敵が、原子弾をこっちへなげつけたときに、役に立つようにと建設せられてあるんです」
「ああ、そうか。あの星人とかいう連中も、原子弾を使うことが分っているのですね」
「多分、それを使うだろうと学者たちはいっていますよ――それに、もう一つああいう防弾設備がぜひ必要なわけがあるんです」