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さんしろう

三四郎

夏目 漱石

三四郎在火车上遇见一位肤色黝黑的女子,不由自主想起故乡的恋人。他假装睡着偷听她和邻座老人聊天,越听越放不下。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 169,765 字 · 343 页

青空文庫

茶の間で話し声がする。下女はいたに違いない。やがて襖を開いて、茶器を持って、よし子があらわれた。その顔を正面から見た時に、三四郎はまた、女性中のもっとも女性的な顔であると思った。

よし子は茶をくんで椽側へ出して、自分は座敷の畳の上へすわった。三四郎はもう帰ろうと思っていたが、この女のそばにいると、帰らないでもかまわないような気がする。病院ではかつてこの女の顔をながめすぎて、少し赤面させたために、さっそく引き取ったが、きょうはなんともない。茶を出したのをさいわいに椽側と座敷でまた談話を始めた。いろいろ話しているうちに、よし子は三四郎に妙な事を聞きだした。それは、自分の兄の野々宮が好きかいやかという質問であった。ちょっと聞くとまるでがんぜない子供の言いそうな事であるが、よし子の意味はもう少し深いところにあった。研究心の強い学問好きの人は、万事を研究する気で見るから、情愛が薄くなるわけである。人情で物をみると、すべてが好ききらいの二つになる。研究する気なぞが起こるものではない。自分の兄は理学者だものだから、自分を研究していけない。自分を研究すればするほど、自分を可愛がる度は減るのだから、妹に対して不親切になる。