轻松读懂日语经典作品
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さんしろう
三四郎
三四郎在火车上遇见一位肤色黝黑的女子,不由自主想起故乡的恋人。他假装睡着偷听她和邻座老人聊天,越听越放不下。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 169,765 字 · 343 页
「もう少し歩けませんか」と三四郎は立ちながら、促すように言ってみた。
「ありがとう。これでたくさん」
「やっぱり心持ちが悪いですか」
「あんまり疲れたから」
三四郎もとうとうきたない草の上にすわった。美禰子と三四郎の間は四尺ばかり離れている。二人の足の下には小さな川が流れている。秋になって水が落ちたから浅い。角の出た石の上に鶺鴒が一羽とまったくらいである。三四郎は水の中をながめていた。水が次第に濁ってくる。見ると川上で百姓が大根を洗っていた。美禰子の視線は遠くの向こうにある。向こうは広い畑で、畑の先が森で森の上が空になる。空の色がだんだん変ってくる。
ただ単調に澄んでいたもののうちに、色が幾通りもできてきた。透き通る藍の地が消えるように次第に薄くなる。その上に白い雲が鈍く重なりかかる。重なったものが溶けて流れ出す。どこで地が尽きて、どこで雲が始まるかわからないほどにものうい上を、心持ち黄な色がふうと一面にかかっている。
「空の色が濁りました」と美禰子が言った。
三四郎は流れから目を放して、上を見た。こういう空の模様を見たのははじめてではない。けれども空が濁ったという言葉を聞いたのはこの時がはじめてである。