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さんしろう

三四郎

夏目 漱石

三四郎在火车上遇见一位肤色黝黑的女子,不由自主想起故乡的恋人。他假装睡着偷听她和邻座老人聊天,越听越放不下。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 169,765 字 · 343 页

青空文庫

具眼の士はみんなそう思っている」

「君の家の先生もそんな考えか」

「うちの先生? 先生はわからない」

「だって、さっき里見さんを評して、おちついていて乱暴だと言ったじゃないか。それを解釈してみると、周囲に調和していけるから、おちついていられるので、どこかに不足があるから、底のほうが乱暴だという意味じゃないのか」

「なるほど。――先生は偉いところがあるよ。ああいうところへゆくとやっぱり偉い」

と与次郎は急に広田先生をほめだした。三四郎は美禰子の性格についてもう少し議論の歩を進めたかったのだが、与次郎のこの一言でまったくはぐらかされてしまった。すると与次郎が言った。

「じつはきょう君に用があると言ったのはね。――うん、それよりまえに、君あの偉大なる暗闇を読んだか。あれを読んでおかないとぼくの用事が頭へはいりにくい」

「きょうあれから家へ帰って読んだ」

「どうだ」

「先生はなんと言った」

「先生は読むものかね。まるで知りゃしない」

「そうさな。おもしろいことはおもしろいが、――なんだか腹のたしにならないビールを飲んだようだね」

「それでたくさんだ。読んで景気がつきさえすればいい。